終身雇用の時代はとっくに終わっています。
転職エージェントに登録する人は年々増えていて、転職エージェントに登録した人のうち、約半数が転職経験があるようです。
(参考:doda会員レポート[2022年7月発行]より)
会社に不満があり退職を考えている人や、自分のキャリア形成のためによりよい環境を求めている人など、様々な理由で転職する人が多くなっています。
そんなときに利用するのが転職エージェント。
何から何まで転職活動をサポートしてくれるので、”全部、転職エージェントにおまかせ” でも良い気もします。
ですが転職エージェントも民間の営利企業です。
転職エージェントの仕組みと接し方を理解して、転職希望者と転職エージェントがWin-Winの関係にならないと、イマイチな転職先を紹介され、気づかぬまま自分の実力以下の企業へ転職しているかも知れません。
そこで、イマイチな企業ではなく、より良い企業に転職するための、転職エージェントとの向き合い方について説明します。
転職エージェントとは
転職エージェントの概要
転職希望者と、人材を採用したい企業の橋渡しを行うマッチングサービスです。
転職希望者の視点では、転職に向けて様々なサポートを行ってくれる転職支援サービスとも言えます。
転職の相談に乗ってくれたり、求人探しから面接対策まで、幅広いサポートが無料で受けられます。
ちなみに転職希望者が、晴れて企業へ入社すると企業から転職エージェントに報酬が支払われます。
このような仕組みのため、転職希望者は無料でサービスを受けられるようになっています。
転職エージェントのサポート内容
1.求人の提案
転職エージェントとの面談で、自分の経験や強みなどを棚卸しします。
そして転職先の希望条件を伝えると、それに沿った求人を提案してくれます。
また、転職エージェントでは非公開求人も扱っています。
これは、企業が「競合他社に求人を知られたくない」、「応募が多すぎるので非公開にして、優秀な人を採用したい」などの理由で公開されていない求人です。
2.起業面接のスケジュール調整
企業と転職希望者の、面接の日程調整も行います。
3.選考対策
履歴書などの書き方、面接対策などのアドバイスを受けられます。
4.企業への推薦
転職希望者をアピールする推薦状を書き、内定を取れるよう企業へ推してくれます。
5.内定後の収入交渉
自分からでは言いにくい収入の交渉を行ってくれることも。
(これは面接の結果次第です。企業が良い印象を持っていれば、転職エージェントが交渉してくれることがあります)
転職エージェントとの向き合い方
転職エージェントとの接し方、向き合い方を知らずに登録すると、自分の実力以下の企業に転職することになるかも知れません。
そうならないために、転職エージェントとの向き合い方について説明します。
転職エージェントに対して意識すること
横柄な態度を取らない
転職エージェントに登録すると、担当者(キャリアアドバイザー)が付き、あなたの転職理由や希望条件等をヒヤリングします。
その上で、数ある求人情報の中からより良い求人を提案します。
そんな転職エージェントの担当者に対して、まれに横柄な態度を取る人がいます。
「転職することであなた達は儲けてるんでしょ? だからおれは客だよね」と言わんばかりに。
大きな勘違いをしているようですが、転職エージェントの顧客はあくまで企業です。
そんな顧客である企業に、横柄な態度をとるような転職者を紹介して、「いい加減な人を紹介するな!」とクレームが入ったら転職エージェントの信用が落ちてしまいます。
このような人に、良い転職先など恐ろしくて提案できません。実力よりかなり低い転職先を紹介せざるを得なくなるでしょう。
せっかく良い転職先を求めているのに、こんなことで自分の実力以下の転職先しかなくなるのは、もったいないです。
転職エージェントの担当者は、自分の転職のパートナーです。前向きに接しましょう。
自分に自身を持つ
自分の転職先企業に求める条件はしっかり伝えても、自分の経験やスキルについては謙虚に控えめに伝える人がいます。
担当者は出来るだけあなたの良いところを見つけ出して、良い求人を提案しようと思っても、自信なさげにしていると、それなりの求人を提案することになります。
また担当者は推薦状を書いて、企業へ推薦してくれます。
これも自信なさげで控えめな人には、それなりの推薦状となってしまいます。
いずれにしても謙虚や控えめで良いことはないので、自信と前向きさを、いつもより意識しておきましょう。
担当者との連絡はスピード感を持つ。
担当者からの連絡には出来るだけ早めに、できれば即日、遅くとも翌日には返信しましょう。
理由は3つあります。
①レスポンスが早ければ”仕事ができる”という印象を与えられる
レスポンスが早ければ、普段の仕事でも”仕事ができる”という印象を与えられます。
②早く返信することにより、転職への意欲が伝わる
1人の担当者は、多くの転職希望者を受け持っています。
そうすると どうしても力の入れ具合(優先度)に差が出てきて、転職に前向きで「早く転職したい」と思っている人に力を入れることになります。
(担当者としても、転職に前向きな人を見てると力を入れたくなりますよね。それと転職エージェントの利益のためにも、早く転職してくれる人に力を入れたくなります)
そのため、積極的に転職への意欲をアピールしたほうがお得です。
③採用枠が埋まるリスクの回避
担当者からの求人の提案に対して返事が遅いと、せっかく自分にとって良い企業でも、求人枠が埋まってしまうことがあります。
返信が遅いばかりに他の転職希望者に先を越されては もったいないですよね。その求人が自分の軸(転職先に求める条件)と合っているなら、「少しくらい遅れても大丈夫かな」と先延ばしにせずに早めに返事をしましょう。
転職エージェントへの過度な期待をしないこと
担当者の品質の違い
転職エージェントの担当者は数多くいるので、担当者により転職サポートの仕方、いわば品質が違います。
単純に相性が合わないということもありますし、担当者が転職支援のベテランなのか、経験の浅い新人なのかにより、こちらの考えをどれだけ組んでくれるか、差が出ることもあります。
転職エージェント側の事情
希望する条件にピッタリの求人があることがわかっていても、提案してくれないこともあります。
たとえば、1つの求人を2人の転職希望者が取り合う形になった場合、転職エージェントはその求人をどちらにあてるのか?
転職エージェントの立場で考えるとわかりますが、転職エージェントのお客さんは企業です。そのため企業にとって、より良い人をあてます。
それは そうなりますよね。
そのように転職エージェント側の事情も含めて、自分の要望に近い求人が提案されるわけです。
転職エージェントとの向き合い方のまとめ
このように、良い転職先企業に巡り合うためには、「自分の要素」×「転職エージェントの要素」で決まります。
自分の要素はコントロールできますが、転職エージェントの要素はコントロールできません。
ある意味、運ですね。
ですが、運任せにしないためにも、次のことに気をつけましょう。
自分の要素
意欲的に転職活動を行う
意欲的であることをアピールすることが大事です。
自分に自信を持つ
自身を持っていることが伝わればよいのですから、自分に自信を持っている演技でも良いです。
”自信を持っているように見せかける”。これは転職だけでなく社会人として大事なスキルです。
転職エージェントの要素
転職エージェントの担当者はこちらから決められないので、誰が当たるかはわかりません。
また、転職エージェントにより保有している求人情報は違いますので、自分にとってより良い求人が見つかるかも わかりません。
運の要素が強いですね。
もしあなたが、生まれてから1度もジャンケンで負けたことがないほどの強運の持ち主なら、1社の転職エージェントで良いでしょう。
ですが、そうでないフツーな人は、複数の転職エージェントに登録して、より良い求人を探したほうが良いです。
(1社だけでは転職エージェントを比較することが出来ないので、担当者の良し悪しの判断が出来ません)
転職エージェントの種類
転職エージェントは、大きく分けで「総合型」と「特化型」の2種類があります。
順に説明します。
総合型転職エージェント
特定の業界や職種にとらわれることなく、幅広い求人情報を扱っている転職エージェントを指します。
業界を問わず転職先を考えているなど、幅広く転職先を相談したい場合は、総合型転職エージェントが向いています。
自分では考えていなかった新たな選択肢が見つかるかも知れません。
※自分が考えなかった良さそうな業界の企業を提案されても、業界の将来性も考えてくださいね。
沈みゆく業界に入らないように。
もし提案されたら、以下を参考にしてください。
-
【転職先の選び方】失敗しない業界選びとオススメ業界
2022/12/29
今まで以上に仕事で成果あげて収入アップを狙うのはもちろん大事ですが、時には視野を広げてみるのも大事です。 会社の中という ...
特化型転職エージェント
特定の業界や職種の求人情報のみを扱っている転職エージェントを指します。
総合型とは異なり、特定の業界や職種に特化しており、業界事情も熟知しています。
そのため、これまでの経験を活かし同じ業界への転職を考えている場合は、特化型転職エージェントが向いています。
※転職活動の途中で事情が変わり、別業界も視野に入れたくても思うような求人は難しいですので、転職エージェントを変える必要があります。
おすすめの転職エージェント
より良い転職先を見つけるためにも、やはり求人情報は多い方が良いです。
そこで、総合型のうち、求人数の多い大手の転職エージェントを3つ紹介します。
(もちろん、求人数だけではなく、トータルで見ても優良な転職エージェントです)
リクルートエージェント
・業界No.1の求人数
・全国に拠点を持ち、どの地域もカバーしている
・若い層はもちろんのこと、40代以上でもハイクラスやエクゼクティブ専門部門があり、幅広くカバーする
doda
・トップクラスの求人数。業界No.2。ベンチャーから大手まで優良企業の求人が豊富
・全国に拠点を持ち、どの地域もカバーしている
・若い層はもちろんのこと、40代以上も幅広くカバーする
マイナビ
・トップクラスの求人数。ベンチャーから大手まで優良企業の求人が豊富
・関東・関西・東海の主要エリアの求人を網羅
・20〜30代の転職サポートに強い
最後に
転職エージェントの仕組みを知ることで、転職エージェントとの向き合い方が見えてきたと思います。
転職エージェントに限らず、何事もまず相手を知ることは大事ですね。
転職は未来を大きく変える分岐点です。上手に転職エージェントを利用して、より良い未来へ向かってください!