最初は些細なミスだったので簡単に挽回出来ると思ったけど、想像以上に苦戦している。もう自分の力では挽回出来そうにない。
今となっては報告しづらいなぁ。上司も忙しそうだし。
こういうこと、ありますよね。
自分なりに頑張って解決を図ったんです。だけどドンドン泥沼にハマっていき、時間ばかり過ぎていく。そして気づいたときには もう取り戻せない。出来ることなら時間を戻したい。
しかし現実は無情です。「どうしよう、どうしよう!」と焦って無理やり頭をフル回転させてみても、時間は戻ってきません。
また、「もっと早い段階で報告すれば良かったなぁ」と、遠い目をしながら遥か昔に想いを巡らせても、やっぱり時間は戻ってきません。
ここは覚悟を決めて、サッと報告内容をまとめて報告するしか無いのですが、後ろめたさも手伝って、ためらってしまうことありますよね。
しかしネガティブな報告を後ろ倒しにすると、確実に一定の信頼を失います。
そこで今回は、ためらわずに報告が出来る考え方について話していきます。
報告をためらう3つの理由
報告をためらう理由として、次の3つを挙げます。細かい理由は色々ありますが、集約するとこの3つに当てはまるのではないでしょうか。
- 無能と思われることや、ミスを追求されることが気になり、言い出せない。
- 問題を自分で解決したい。解決出来なくても弱音を吐かず、途中で諦めないで最後まで精一杯努力することで誠意を見せたい。
- 多忙な上司の時間を取るは気が引ける。
このようなモヤモヤがある場合にどうすれば良いのか。解決に導く「すぐに報告するための考え方」について話していきます。
すぐに報告するための考え方
※3つ挙げています。自分に当てはまるところを読み進めてください。
無能と思われることや、ミスを追求されることが気になり、言い出せない
そもそも、そのミスが100%自分の責任ということがあるでしょうか。
上司が仕事を指示する際に、必ずしも担当者の能力にあった仕事を割り当てられているとは限りません。
そのため、対応が難しい問題に直面したら、早めにアラートを上司に上げる必要があります。
上司は多くの裁量を持っています。早めに報告すれば、他の人に仕事を分担することも出来るのです。また経験豊かな上司なら、簡単に問題を解決出来るかも知れません。
しかし、仕事の締切になって、「出来ませんでした」と言われても、どうすることも出来ません。恐らく時間を戻すことが出来る上司はいませんから。
上司もたくさんのミスをしてきたので、ある程度の問題が発生するのは最初から分かっています。そして問題が発生したら解決に導くのは自分の仕事だと思っています。
ぜひ、上司の仕事を奪わないように、問題があればすぐに報告しましょう。
問題やミスを報告すると高圧的な態度を取られる、怒鳴られるなどパワハラ上司となると話は別です。
精神的に病む前に、部署異動を申請するか転職を考えたほうが良いです。最近では転職しやすい環境が整っていますので。
問題を自分で解決したい。解決出来なくても最後まで努力し、誠意を見せたい
責任感の強い人は特に「自分の仕事なので最後までやりきりたい」と考えてしまうのではないでしょうか。
また、ある程度実力を持った人はプライドが邪魔をして、報告が延び延びになってしまったり。
その結果、仕事の期限になって「出来ませんでした」では誰も幸せになりません。
それでも「自力でやり遂げたい!」と考えている人には、こんな未来が待っています。
上司は、「こいつは問題が発生しても報告を上げることが出来ないやつだ」とレッテルを貼り、仕事の難易度や仕事量をセーブして与えるか、こまめに進捗状況を確認するなど、必要以上に気を使うことになります。仕方ありません。問題があっても教えてくれないので、こちらから確認するしかないのです。
もちろん このような人に重要な仕事など任せられるわけもありません。
これはあなたにとっても、かなりのマイナスポイントです。
マズいと思った段階で一次報告を。自分では解決できないと思ったら、潔く自分の弱点を認め、勇気をもってギブアップしましょう!
多忙な上司の時間を取るは気が引ける
多忙な上司に遠慮して報告を先延ばしにして、自分で対処できれば良いのですが、対処できず問題が大きくなったら余計に上司の時間を取らせることになります。
そもそも上司が多忙なのは上司の責任です。そして報告を受けるのは上司の仕事です。ここは割り切って問題は早めに報告しましょう。それがお互いに不幸にならない方法です。
報告をためらう1つの共通点と改善方法
これまでは報告しづらい状況になってしまった場合の考え方について話しましたが、そもそも報告しづらい環境に身をおいていることが良くありません。
ここからは報告しやすい環境へ変えていく方法について話していきます。
1つの共通点
報告をためらう理由として3つ挙げましたが、共通して言えることは上司や周りからの評価を気にしていることです。
上司や評価を気にし過ぎた結果、行動が取れなくなったのでは本末転倒です。
そのため、報告をためらわずに行う方法はこれしかありません。
今日から上司の評価を気にすることはやめましょう。
これさえ出来れば、これまで話はすべて忘れて良いです。(時間かけて読んだのに、これまでの話は何だったのでしょう)
ですが、言いたいことはわかっていますよ。
急に「評価を気にするな」と言われても、すぐに考えを変えるのは難しいですよね。
そんなあなたでも次の2つを理解すれば、スムーズに考えを変えられるようになります。
①上司がどのような視点で人を見ているのか、どのような考えを持っているかを理解する。
▶上司の考えが分かれば、上司への報告をためらうこともなくなります。
②自分の能力(得意、不得意、限界)を理解する。
▶自分の能力を、自分と上司が把握できていれば、上司の評価を気にすることもなくなります。
この2点を踏まえ、具体的な改善方法を説明します。
改善方法
①上司視点で考え、行動する
上司は組織内の仕事をコントロール出来ているうちは安心していますが、そうでないと不安に感じます。
そのため、上司はこのようなことを考えています。
チーム内でできるだけ大きな成果(アウトプット)を出したい。
一旦この考えを自分の中に取り込んでください。そして、チームの一員である自分がどのように振る舞えば最大の成果を出せるかを、前向きに考えます。
このように、自分への評価よりチーム内での成果を軸に考えることが出来れば、これまで周りの視線ばかり気にしていたことが嘘のように視野が広がります。もちろん報告をためらうこともなくなります。
考え方を変えるのは かなり勇気が必要です。しかし、変わらなければ このまま周りからの評価を気にして自分の弱点を認められないつらい時間を過ごすことになります。
是非、チームを軸に考えて行動し続け、自然に訪れる広い視野を体験してください。
②自分の能力を把握し、共有する
上司から、自分の能力を超えた難易度の高い仕事を指示された時に、「上司の期待に応えなければ!」と自分を奮い立たせる前に、一旦冷静になって考えてください。
上司は部下全員の能力を正確に把握して指示を出しているでしょうか。
あなたの能力と上司の認識にズレがある状態で指示をされたとしたら、そもそも「上司の期待に応える」という考えがズレていることになります。
このような認識のズレは事前に防ぎたいですね。上司には実態に合う期待をしてもらいたいものです。
上司との付き合いが長年に及ぶものであれば良いのですが、そうでないのでしたら上司はあなたの能力を把握できていないこともあります。
日常のコミュニケーションの中で、自分の不得意なことを相談という形で共有しておくと、仕事の指示を受ける場面でギャップが少なくなります。
なにより、上司は自分の能力をわかっているので、「上司から無能と思われたくない」というプレッシャーから開放されます。そして自分では対応が難しい問題が発生しても相談しやすくなります。
このような関係を築くことが出来れば、もうあなたは上司からの視線を気にする必要もなくなります。
まとめ
今回のポイントです。
・報告しにくいのは、上司からの評価を気にしているために起きている。
・上司からの評価は自分ではコントロール出来ないので、気にしないことがベスト。
・評価を気にしない状態にするために、以下の行動を取る。
①上司の立場で考え、行動する。
②自分の能力を上司と共有し、報告しやすい関係を築く。
これで、上司や周りからの評価に怯えながら過ごしていた闇の時期から脱却します。
同時にチーム全体を見渡す広い視野も身についているはずです。
組織の中で活動するビジネスパーソンとして、ステップアップした自分を想像しつつ、是非積極的に行動してください